2014年1月30日木曜日

遺伝子診断: 心臓病を予想する 2-predict and prevent arrhythmia (in Japanese)

心臓病を予想する、2回目です。浦野陽子さんの記事です。

ワシントン大学の医学部は201311月末、心臓病の中でも希少疾患ながら、突然死を引き起こすやっかいな病気としてしられている不整脈の関連遺伝子69個を
一度のエクソン解析から分析する、新しい遺伝子診断サービスの開始を発表しました。

これらの心臓疾患の兆候のある患者の治療で、医師は、血液サンプルの提出で、この遺伝子シーケンスを手配できる。それから23週間後には、 患者の病気に貢献し、治療の反応に影響を与える可能性のある患者のDNAで同定された 変異を記載した報告が病理部から送られるというものです。

従来の遺伝子試験は、民間の診断会社にゆだねられていましたが、コストが高い、また提供される情報が限定的であるため、あまり利用はありませんでした。しかし、ワシントン大学は、幸いにも、米国あげてのヒトゲノム解析の主軸として動いていたゲノムセンターがまさに膝元にあること、よりその技術の臨床利用の段階へと移行したというタイミングもあって、循環器内科部門と病理部門とが協力して、治療に有益な遺伝子診断の開発への取り組みが進展しました。

「このテストの結果は、私たちは診断を改善し、我々の患者の管理と治療をパーソナライズすることができ、助けることができる」とこの遺伝子診断開発にあたったPhllip Cuculich 医師は言います。具体的にはどういう事なのでしょうか?これは、また次回のテーマです!


2014年1月28日火曜日

遺伝子診断: 心臓病を予想する 1-predict and prevent arrhythmia (in Japanese)

今日から新しい試みのスタートです。私がボードメンバーをつとめている、HealthBeatが発行している記事の一部を紹介していきます。今、多くの人が興味を持っている、健康についての問題を取り上げていきます!

今日は、遺伝子診断のお話しをしましょう。浦野陽子さんの記事です。

昨年の11月末に、IlluminaのハイスループットのゲノムシーケンサがFDAより承認されました。これは次世代シーケンサに対してFDAが初めて行った販売承認です。このハイスループットシーケンサーというのは、私達の遺伝子配列を、短い時間で、一気に解析をする事ができるマシーンです。

このニュースに対してNIH長官のFrancis Collins博士は、「最初の次世代ゲノムシーケンサの販売承認は、患者ケアを最終的に 改善するゲノム情報を生成する能力において、大きな前進を意味する。」と述べて、科学者の国際チームが1990年に初めてヒトのゲノム情報を読むプロジェクトを開始させてから、四半世紀を経てついにここまで来たことを歓迎するとともに、「しかし、これはまだ最初の1歩だ。」といって、まだ解決されるべき多く挑戦のあることを示唆してこの分野の発展にむけた一層の協力を喚起しました。この記事はNEJM、米国ナンバーワンの医学雑誌、の冒頭記事に掲載されました。 Collins先生はゲノムプロジェクトのヘッドでもあったのです。

次世代シーケンサが、私たちの体内を司る遺伝子情報を解析できるとき、私たちの医療は、その個々の患者の病気の診断、進行状況の的確な理解、体質理解をもとにした治療薬の選択など、カスタマイズ化される時代を迎えるのか? それはいつか、まだはっきりとは見えません。しかし、今私たちの医療の細々としたセグメントは、それぞれ「Yes」を確実にする方向へと確実に一歩一歩、うごめいていると言えるでしょう。全ての医療を革新する力では現在はないかもしれない。しかし、明らかに一部の分野で、医師たちは次世代シーケンサの作り出す患者の基礎情報に、かつてない精巧さと正確さで、その患者の状態を診断し治療方針を決めるツールという認識を高めているのです。

Illuminaのニュースとちょうど前後するタイミングで、ワシントン大学の医学部は2013年11月末、心臓病の中でも希少疾患ながら、突然死を引き起こすやっかいな病気としてしられている不整脈の関連遺伝子69個を一度のエクソン解析から分析する、新しい遺伝子診断サービスの開始を発表しました。この心臓病の遺伝子診断サービスを例にとって、心臓病、慢性疾患をpredictionし、preventionする試みについて考えていきましょう!